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ABOUT — 旧字体と新字体

画数は「旧字体」で数えるのか

沢か澤か、学か學か。字画(画数)が変わるわけを、一次資料に当たりながら丁寧に解きほぐします。

一. 旧字体と新字体——1946 年に何が起きたか

日本の漢字は、1946 年(昭和 21 年)11 月の内閣告示「当用漢字表」によって大きく姿を変えました。 戦後の国語改革で 1850 字が選ばれ、続いて 1949 年の「当用漢字字体表」で 字形が簡略化されます。學→学、國→国、廣→広、澤→沢、櫻→桜。 私たちが日常で使うのは、この簡略字形——新字体です。1981 年の「常用漢字表」、2010 年の改定常用漢字表へと受け継がれました。

一方、それ以前の字典——康熙字典(1716 年・清代)に収められた字形こそが旧字体です。書籍・戸籍・人名・地名で 戦前まで広く用いられ、今も「故人の戸籍は澤」「祖父の名は廣の字」といった形で 人名や屋号のなかに息づいています。

二. なぜ易学の字画起卦は康熙字典体を用いるのか

易学のうち梅花心易(北宋・邵康節『梅花易数』の系譜)には、語や名前の画数から卦を立てる「字画起卦」という手法があります。この字画起卦では、伝統的に 漢字の本字——康熙字典体(旧字体)の画数を数えます。 字源・字義を重んじ、「文字本来の姿に数の理(ことわり)が宿る」という古典の立場に基づくものです。当サイトの梅花心易も、この伝統にならって旧字体の画数で卦を立てています。

一方で、現代人が日常で使い、戸籍に登録されている新字体(常用漢字)の画数こそ実体だ、とする数え方もあります。どちらが唯一の正解ということはなく、どの字典・どの考え方に立つかの違いです。 なお、名前の画数から吉凶を読み解く「姓名判断」は姉妹サイト「姓名判断大全」の領分で、当サイトでは扱っていません。ここでは易占(字画起卦)で画数がどう効くかに絞って解説します。

三. よく使われる字の画数差・代表 30 組

以下は人名・地名・屋号でよく登場する新字体/旧字体ペアです。 画数差が 5 以上ある字も少なくなく、字画から立てる 八卦・動爻が入れ替わることもあります。

新字体画数(新)旧字体画数(旧)
816+8
811+3
515+10
716+9
1021+11
1017+7
1419+5
1825+7
912+3
1113+2
518+13
1321+8
815+7
1316+3
411+7
916+7
413+9
723+16
312+9
1321+8
715+8
1422+8
314+11
714+7
614+8
1116+5
1016+6
711+4
610+4
1112+1

四. 「正解は一つではない」——どちらの数え方も採りうる

旧字体で数えるか新字体で数えるか、という議論は明治末から続いており、 現代でも決着していません。たとえば「広(旧字体は廣)」の一字を上卦に立てる場合、 先天八卦の数理(画数を 8 で割った余りで八卦を割り当て、余り 0 は坤)では こう変わります:

  • 新字体:広(5 画)→ 余り 5 → 巽(☴)
  • 旧字体:廣(15 画)→ 15 ÷ 8 の余り 7 → 艮(☶)

同じ字でも「どの字典に立つか」で、立てられる卦は変わりえます。 だからこそ当サイトは、計算(画数の導出)と解釈を分け、どの数え方を採ったのかを結果に明示することを大切にしています。占いの本質は、外的な権威ではなく、 自分の人生にどう向き合うかの内省にあるからです。

五. 主な出典・参考文献

  • 内閣告示「当用漢字表」1946 年(昭和 21 年)11 月 16 日
  • 内閣告示「当用漢字字体表」1949 年(昭和 24 年)4 月 28 日
  • 内閣告示「常用漢字表」1981 年(昭和 56 年)/改定 2010 年(平成 22 年)
  • 文化庁「国語施策・日本語教育」bunka.go.jp/kokugo_nihongo
  • 康熙字典(1716 年成立、清・張玉書ら撰)
  • 諸橋轍次『大漢和辞典』大修館書店、初版 1955–1960
  • 邵雍(康節)『梅花易数』北宋(字画起卦・数理占法の古典)

梅花心易の字画起卦は、康熙字典体(旧字体)の画数から卦を立てます。名前や語の画数がどんな卦になるか、試してみてください。

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